竹林による環境破壊について
-異常繁殖・竹林で山が荒れる(2001年5月21日 NHK「クローズアップ現代」)
竹林が山を侵している深刻な様子が映し出されました。
山の下腹部に生えている放置された竹(モウソウ竹)はすごい勢いで山々を侵食していき、山に元々あった木々を枯らしてしまう様子や、静岡の茶畑にまさに食い込んでいっている有様が映し出されました。まさにその繁殖力のすごさは大変なもので、人との知恵比べのようです。竹は伐らなければならず、再利用する必要がありますが様々な利用方法も考えられてもすぐ外国の竹に、採算面で走る実体も紹介されました。
放置竹林の危険な様子もよく分かり、これからの日本の自然環境のあり方に大きな問題を投げかけた番組でした。
-竹林異常増殖(1998年9月4日 朝日新聞-夕刊-)
全国各地で竹が暴れている。人里近くの山で樹木を圧倒し、畠や宅地まで入り込みだしている。
竹林自体や、侵入されている山林、原野が放置されているからだ。
タケノコの輸入が増大しているほか、竹材もプラスチックなどの代替品が普及し、竹の利用が激減したことが響いている。
竹林の異常拡大によってヒノキやスギの若木が枯れ、山林価格の下落を招いている。
奥富清東京農工大名誉教授(70)は「日本の自然環境が変わってきた」と指摘する。
-自然環境を損なう茂り過ぎが問題(1998年7月14日 読売新聞)
日本では竹の「茂り過ぎ」が問題だ。林野庁によれば、日本の竹林面積は約15万ヘクタール。森林全体の0.5%にすぎないが、徐々に増えている。
森林総合研究所関西支所の井鷺裕司主任研究官は「手入れがされない里山ではモウソウチクの勢いが強く、年間約2メートルずつ雑木林を侵食、竹より丈の低い木が育たなくなっている」と竹林の放置が本来の自然環境を損なっていると指摘。
-竹林猛威(1994年10月31日 朝日新聞-夕刊-)
放置され雑木駆逐30年間で10~20倍に拡大
宅地開発などにより市街地では激減してモウソウチクやマダケの竹林が、京都府南部の相楽郡山城郡や綴喜郡田辺町内の丘陵で30年間で10~20倍に拡大していることが、農林水産庁森林総合研究所関西支所(京都市伏見区)の調べでわかった。
他の樹木に比べて繁殖力が強いうえ、輸入品に押されて農家がタケノコ生産をやめた結果、放置された竹林が猛威をふるっているらしい。同支所は全国的な傾向とみており、「手入れをしないと、近い将来、各地の里山が竹林で埋め尽くされ、生態系に影響を与える可能性もある」と心配している。
-里山を放置された竹が侵食している(1994年2月6日 京都新聞)
人里近くで放置され周囲の生態を乱しながら増殖する竹やぶの実態を把握しようと、京都の研究家らが京都府南部をフィールドに調査に乗り出すことになった。航空写真を使い、過去にさかのぼって進行の度合いを調べる一方、木津川左岸の田辺丘陵でフィールドワークも実施する。 |